4年間の学修看護学部

より実践的に学び、
主体性を育みます

佐久大学 看護学部では、学生が看護職を目指して主体的に学べるよう、授業内容を工夫しています。1年次前期の「導入基礎演習」で大学での学び方の基礎を作り、後期の「看護展開論」で専門職としての学び方を修得します。2年次以降の実習をより実践的・効果的なものにし、4年次での専門性の高い「看護学研究」へつなげます。

1年次

基礎づくり

地域生活者交流実習 Ⅰ

地域で暮らす人々と出会い、
広い視野で援助ができる看護師に!

患者さんの入院前・退院後の本来の生活に目を向けられるよう、地域のNPOや公民館などに出向きます。地域で暮らす人々の日常生活や地域のつながり、保健・医療・福祉に関する社会資源などを自分の目で見て、交流し、実感する実習です。将来、出会う患者さんをひとりの生活者として捉え、幅広い視野でその人に必要な援助ができる看護師になることを目指します。

看護学科 1年
長野県 佐久長聖高等学校出身

地域のNPOで多彩な人と交流。
自分が変わることで世界が広がります

「地域生活者交流実習」で地域の子どもたちと保護者、高齢者、障害者を対象に食育や無農薬野菜づくり、趣味の会などを行うNPO法人へ。私がお話したのは「佐久ろう太鼓」クラブを立ち上げて活動されている、耳が聴こえない高齢者でした。最初は恥ずかしかったのですが、大きく口を開けてゆっくり話したり、大きなジェスチャーをつけることでコミュニケーションができるとわかり、思い切って挑戦。日常生活やこれまでの人生についてお聞きし、通じ合える喜びを感じました。自分自身が変わらないと、現状は変わらないと気づいた瞬間でした。

2年次

姿勢づくり

EBN実習Ⅱ

患者一人ひとりに合う方法の選択、
チーム連携、看護職としての姿勢を学びます

患者さんや医療関係者と対話を重ねながら、科学的根拠に基づいた患者主体の看護について考えます。

EBN(Evidence-based Nursing)

科学的根拠と専門知識に基づくのはもちろん、患者に関心を向け、対話し、理解することで患者中心の看護を行うこと。

Oya MEMO

実習中に疑問に思ったことや気づいたことを記録し て提出。カンファレンスで教員や指導者が回答した り、全員で考えたり、議論したりします。

看護学科 2年
長野県 上田染谷丘高等学校出身

患者さんが本当に望むケアとは何か。
自分自身とも向き合える実習でした。

実習前の目標は「患者さんに前向きな発言をしていただくこと」。高齢の心臓病の患者さんを担当し、情報を得ようと会話に努めたところ、しばらくして患者さんが「話すと呼吸が苦しいんだよ」。患者さんの状態よりも自分がやりたい看護を優先してしまったことに気づき、頭が真っ白に。先生に相談し、疾患の症状を見直して原点に戻り、改めて「患者さんが望むケアとは何か」を考えました。最終的に「生活援助論」の演習で学んだ足浴を実施したところ、「気持ちがいい」と喜ばれ、「もう少し頑張ってみるよ」と前向きな言葉をいただけました。

3年次

実践の学び

母性看護学実習・
小児看護学実習

生命の誕生と子どもの成長に関わる
妊産婦・新生児・子どものケアを
実習で学ぶ

「母性看護学実習」では妊娠中から出産後までの妊産婦の心身の変化やケア、新生児のケア、母乳育児支援などを学び、「小児看護学実習」では病気や障害を持つ子どものケアや家族が置かれている状況を理解し、積極的な援助ができる能力を養成します。実習先では熟練の指導者が目を配ることはもちろん、教員も実習先に通って学生の相談に対応し、実習中の成長をサポートします。

看護学科 3年
長野県 上田西高等学校出身

病院実習で看護の力を実感!
学びを掘り下げ、理解を深める学内実習も。

「母性看護学実習」では産科病院で産後の母子を担当。毎日母子の様子を見守り、検査見学やお母さんと会話を重ねて関係性を築くなどしました。授乳シーンでは母子の愛情や絆が深まっていくことが手に取るようにわかり、感動でいっぱいに。母乳や赤ちゃんの便が出づらいときも適切なケアをすることで問題が解決され、「看護の力ってすごい!」と感じました。コロナ禍で施設に行けない実習では学内でグループ学習を実施。例えば「小児看護学実習」では「子どもの採血をどう進めるべきか」について議論・発表したのですが、学内実習だからこそ課題と解決策をとことん追究できたと思います。

4年次

看護学研究

看護学研究

4年間の学びの集大成。興味を持った
テーマを検討し、研究計画書をまとめます

1年次から3年次までの講義・演習・実習を通じて、自分が興味・関心をもった看護現象について研究を進めていくための研究計画書を作成します。担当指導教員と共にゼミナール形式で自分の研究疑問(リサーチ・クエスチョン)を明らかにするための研究方法を具体的に考えます。その過程を通して看護活動を支える科学的根拠の重要性を理解し、主体​的・自律的に学修姿勢を修得していきます。​

看護学科 4年
長野県 豊科高等学校出身

「手術前後の患者さんの満足度を高めるには?」
実習での疑問を研究テーマに

領域別実習で骨折により手術が必要な女性患者さんを担当。手術前後の患者さんの満足度を上げる看護に興味を持ち、研究テーマにしました。大学の図書館や医療文献検索サイトなどで論文を探し、看護師の対応への患者調査の結果などを発見しましたが、具体的な内容までは掘り下げられていませんでした。そこで「どんなケアをしてほしいか」などの質問項目を作成し、研究計画書に盛り込みました。研究は学生2名+先生の少人数ゼミナール形式で進め、議論や助言が思考を深める糧に。看護の勉強は一生続くので、将来もこの経験が役立つと思います。

主体性を持った
看護職へ